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★ 「あれば安心 補助犬トイレ」
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「補助犬用のトイレを役所に作ってくれるなんて珍しいことなんです」40年以上にわたって盲導犬を育成している「日本盲導犬協会協会」(東京・渋谷区)を訪ねると、広報担当の女性が弾んだ声で教えてくれた。
今月3日の都民版で、世田谷区役所の庁舎に、盲導犬など補助犬用のトイレが設けられたという記事に目が留まり、足を運んだ。視覚障害者は一人で盲動犬と外出する時、いつも犬のトイレを気にかけている。動物だから当然だ。
すぐ帰宅する時は必要ないが、数時間を超えれば、事前に確認しておいた植え込みなどに行って「ワンツー、ワンツー」と合図の声をかけながら用を足させ、持参したペットボトルを取り出して水で流す。広報担当の女性は「犬で迷惑をかけないよういつも気を使っています。
でも目が不自由なので不安ですし、専用トイレがあれば、それは足すかります」厚生労働省によると、国内の身体障害者数(在宅)は約358万人で、人口の約3%を占める。このうち、体が不自由な人は約181万人、視覚障害者は約31万に上る。公的施設や交通機関に補助犬の受け入れを義務付ける身体障害補助犬法が施行されたのは2002年のこと。ただ補助犬用トイレの整備は、ほとんど進んでいないのが現状だ。
03年からは不特定多数の人が利用するレストランなどの民間施設にも受け入れが義務付けられた。
だが、盲動犬協会によると、トイレどころか、今でもファストフード店や空港のレストランなどで「犬は困ります」と利用を拒まれることがあるという。
いつ背負うかもしれないハンデ。しかし、誰もが暮らしやすい社会はまだ先にあるようだ。
ところで、犬は青や赤の色を識別できない。信号を渡る時は障害者自身が周りの音などで判断し、「ゴー」と声をかけて前に進む。
だから、その時は周囲の人が「青ですよ」「赤ですよ」と声をかけると役に立つそうだ。これからは、私も実践したい、と思っている。
NEWSなおにぎりコーナー/社会部次長 滝鼻 太朗
【2010年3月20日 読売新聞 社会面より】
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