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★ セラピードッグ ★
〜 人と犬が助け合い 〜
松戸市高塚新田の住宅地にある白い洋館風の施設で、20匹の犬がセラピードッグ(治療犬)の訓練を受けている。ブルース歌手の大木トオルさん(56)が2001年に設置した訓練施設「ユナイテッド セラピージャパン トレーニングプラザ」だ。
大木さんは、お年寄りや病気の人の弱った心と体を、動物とふれあうことで回復をはかるアニマルセラピー(動物介在療法)を日本に紹介してきた。現在訓練を受けている20匹のうち17匹は捨てられていた犬で、多くが雑種という。
セラピードッグの仕事は、相手の目をじっと見つめたり、ベッドで添い寝をしたり、車いすやつえを使う人に合わせたスピードで歩いたり・・・と、様々だ。人懐こい性格やいたずら好きといった個性はそのままに、命令に従うだけでなく、相手の状況に応じて接する能力も求められる。
セラピードッグが認定試験に合格して"一人前"になるまでには2年程度かかる。すでに10匹は、老人ホームや障害者施設などに派遣されている。トレーナーの馬場美智代さん(40)は「お年寄りの施設に行って、多くの人の笑顔に迎えられると、本当にうれしいし、犬も喜びます。」と話す。セラピーを受けた車いすのお年寄りが歩行訓練をするまでに回復したり、認知症の進んだ人が言葉を取り戻すなどのケースもある。
大木さんは「私自身、犬に救われてきた。心の病に苦しむ人や高齢者が増える中、人と犬が助け合い、幸せになる社会を目指したい」と話している。(文 北條豊)
【読売新聞/2006年4月2日 「アングル」より】
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